帰化条件②能力条件

20歳以上で本国法によつて行為能力を有すること(能力条件)


この条件は、帰化が重大な身分関係の変動をもたらすことから、申請者に行為能力を要求するものです。

 

「20歳以上」とは


国によっては数え年を使用する場合もありますが、ここでいう20歳というのは日本の年齢計算方法(年齢計算に関する法律)に従って満年齢で計算します。

具体的には、2000年7月1日生まれの者であれば、2020年7月1日と、20回目の誕生日を迎えた日以降である必要があります。

日本では長らく20歳を成人として来ましたが、民法改正により2022年4月1日からは18歳が成人になることに合わせて、同日からは18歳以上であれば帰化が可能になります。この改正により、中国人は18歳以上であれば、韓国人は19歳以上であれば、単独の帰化申請が可能になります。

 

「本国法により行為能力を有する」とは


行為能力とは、単独で有効な法律行為を行うことが出来る能力のことです。殆どの国では未成年者や精神になんらかの障害がある者を保護するために、保護者の承諾がないと法律行為が十全に出来ないような制度を設けています。この制度による保護を受けている者を制限行為能力者といいます。日本でも未成年者、成年被後見人等がこの制限行為能力者に該当します。

本要件は、このような制限行為能力者ではないことを要求するものです。通常は、申請者の母国民法上、成人に達していること、具体的には中国人であれば18歳、韓国人であれば19歳の証明、並びに、制限行為能力者ではないことを証明する必要があります。

通常、帰化をする際には家族全員が帰化申請をすることになりますが、知的障害を有する家族と一緒に申請をされる場合は専門家である行政書士に依頼することをお勧めします

 

緩和措置


以上までの要件を緩和するために以下の場合には緩和装置が取られています。

①日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの(国籍法7条前段)
⇒日本人の配偶者で日本内に住所があれば未成年者等であっても帰化申請が出来るとしたものです。

 

②日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するもの(国籍法7条後段)
⇒日本人の配偶者で3年以上経っていれば、海外で生活していたとしても、1年以上日本に住所があれば未成年者等であっても帰化申請が出来るとしたものです。

 

③日本国民の子で日本に住所を有するもの(国籍法8条1号)
⇒夫婦の一方が日本人で、その子息が日本に住所があれば、未成年者等であっても帰化申請が出来るとしたものです。

 

④日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの(国籍法8条2号)
⇒日本人が外国人の未成年者を養子にして日本で1年以上居住した場合には、未成年者等であっても帰化申請が出来るとしたものです。


⑤日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの(国籍法8条3号)
⇒日本国籍を失って外国籍になった者が日本に住所があれば、未成年者等であっても帰化申請が出来るとしたものです。


⑥日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの(国籍法8条4号)
⇒難民の2世や中国出身の無国籍者の2世等の日本で生まれた無国籍者であれば、未成年者等であっても帰化申請が出来るとしたものです。