帰化申請の流れ(帰化の申請方法)

 

1.最寄りの法務局への相談


帰化申請の管轄は住所地(住民票のある場所)を管轄する法務局になります(国籍法施行規則2条1項)。
帰化申請に必要になるものは申請者一人一人で違いますので必ず事前相談をする必要があります。
事前相談では帰化条件を満たしているのか、どのような書類が必要になるのかを確認せねばならず、最低でも2回は赴く必要があります。相談者の置かれた状況によっては事前相談だけで4,5回は赴くことも珍しくはありません。平日の午前9時~午後5時の間に何回も法務局に赴くことはそれだけで負担になります。
最も、弊所のような専門家にご依頼頂くと弊所の方で法務局と調整しますのでこのような負担はありません。

相談段階から申請者の態度は見られています。ご注意ください。

 

2.必要書類の収集


帰化申請には膨大で様々な種類の書類を添付する必要があります。上でも述べたように、申請者一人一人で必要な書類が違うので、以下の書類は最低限の書類に過ぎません。
必ず事前相談でどのような書類が必要かを聞いてから収集を開始する必要があります。また、韓国の書類を取り寄せる場合は長くても1週間あれば十分ですが、国によっては何か月もかかる場合があるので、必要な書類を確定して速やかに収集しないと、収集している途中で他の書類の有効期限(3か月)が切れることも起こりますので注意が必要です。無論弊所にご依頼頂くと弊所の方で殆どの書類を収集致します。

 

注意:虚偽は言うまでもなく、隠すことも絶対にしないでください。有利不利を問わずにすべて正直に申告してください。

 

(1)国籍や身分関係を証明する書面(存在しない場合はその証明)
以下韓国の場合(インターネット発行用ではなく在日大使館等で発行する必要があります)
北朝鮮出身の方は別途ご相談ください。

・基本証明書:一般ではなく詳細
・家族関係証明書:一般ではなく詳細、本人及び父母のそれぞれの詳細証明書
・婚姻関係証明書:一般ではなく詳細、本人及び父母のそれぞれの詳細証明書
・除籍謄本:親の婚姻から2008年1月1日までのもの
・入養関係証明書:一般ではなく詳細
・親養子入養関係証明書:一般ではなく詳細
・後見登記事項不存在証明書

以下中国の場合(中国内でしか発行出来ない場合があり注意が必要です)
・出生公証書:本人のもの(親の記載があること)
・親族関係公証書:本人のもの(親及び兄弟の有無の記載があること)
・婚姻公証書:本人及び親のもの(結婚証でもOKの場合あり)
・死亡公証書:死亡した親族のもの
・離婚公証書:本人及び親のもの

他の国の場合
・上記に準じる親族の出生、死亡、婚姻、離婚、養子その他の家族関係を証明する官公庁発行の証明書
・国籍証明書(必ず法務局の指示を待って発行申請すること)

 

 

(2)以下の場合は該当する者の日本国内の戸籍・除籍謄本(全部事項)
・帰化する者の配偶者、元配偶者、内縁の妻が日本国民であるとき
・帰化する者の実子、養子が日本国民であるとき
・帰化する者の婚約者が日本国民であるとき
・帰化する者の親、養親が日本国民であるとき(養子縁組事項記載有)
・帰化する者の親、養親が日本国民であったとき(日本国籍喪失事項記載有)
・帰化する者の日本の国籍を失った人であるとき(日本国籍喪失事項記載有)
・帰化する者の親、兄弟、子の中で帰化又は国籍取得をした人がいるとき(帰化事項、国籍取得事項記載有)

 

 

(3)帰化する者が日本で出生、婚姻、離婚、養子縁組をしている場合は以下の書類
・出生届の記載事項証明書(本人及び兄弟のもの)
・死亡届の記載事項証明書
・婚姻届の記載事項証明書
・離婚届の記載事項証明書(裁判等離婚の場合は調書の謄本等(確定したものはその日が分かるもの))
・親権者変更届の記載事項証明書(裁判等離婚の場合は調書の謄本等(確定したものはその日が分かるもの))
・養子縁組届の記載事項証明書
・認知届の記載事項証明書
・就籍審判書

 

 

(4)住居地や職場等を明らかにする書類
・住民票:同居人全員分
・外国人登録原票記載事項証明書:全部事項

 

 

(5)収入や技能を証明する書類
・在籍証明書:本人及び家族全員分
・給与証明書:本人及び家族全員分
・給与明細書:本人及び家族全員分
・公的給付受給証明書::本人及び家族全員分
・所得証明書:本人及び家族全員分
・課税証明書::本人及び家族全員分
・納税証明書:本人及び家族全員分
・確定申告書の写し:本人及び家族全員分
・源泉徴収票:本人及び家族全員分
・源泉徴収簿の写し:本人及び家族全員分
・決算書の写し::本人及び家族全員分
・その他の収入を証明する書類:本人及び家族全員分
・資格証の写し:本人及び家族全員分
・営業許可証の写し:本人及び家族全員分

 

 

(6)資産を証明する書類
・不動産登記簿謄本:本人及び家族全員分
・賃貸借契約書の写し:本人及び家族全員分

・預金口座の写し:本人及び家族全員分
・保険証券:本人及び家族全員分
・その他の資産を証明する書類:本人及び家族全員分

 

 

(7)在学や卒業を証明する書類
・在学証明書:家族に該当する者がいる場合
・卒業証明書:家族に該当する者がいる場合
・成績証明書:家族に該当する者がいる場合

 

(8)素行を証明する書類
・犯罪歴に関する証明書:犯罪経歴照会書等
・捜査歴に関する証明書:捜査経歴照会書等
・判決確定証明書等:民事関係
・免責確定証明書:破産関係
・運転記録証明書:5年分
・運転免許経歴証明書

 

 

(9)その他
・上申書
・理由書
・弁解書
・診断書
・感謝状

 

 

3.収集した書類の翻訳、翻訳証明の添付


日本語以外の言語で作成されている書面はすべて日本語に翻訳し、翻訳証明(翻訳者の氏名・住所・翻訳日・印鑑)を添付しなければなりません(国籍法施行規則5条)。
属性に大きな問題の無い帰化申請者の場合でも、上記で収集した基本書類だけで30~60枚以上に及び、これをすべて書式を合わせて翻訳し、翻訳証明書を添付するだけでもかなり負担が大きく、1枚当り1000~6000円の翻訳サービスを利用される場合もあります。しかし、戸籍などの敏感な個人情報を法律上の守秘義務のない翻訳業者に依頼することはあまりお勧めできません。
弊所のような行政書士には行政書士法上の守秘義務がございますので、翻訳だけでも安心してご依頼いただけます。無論、正式にご依頼頂いた場合は、一律料金の内に含まれますので追加料金は発生しません。

<行政書士法>
第12条(秘密を守る義務)行政書士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱つた事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなつた後も、また同様とする。
第22条 第12条(秘密を守る義務)の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の 罰金に処する。

 

 

以下は翻訳書の例です。自分で作成される場合はご参照ください。

 

 

4.申請書類の作成


添付書類の収集と翻訳が一通り終わったら今度は法務局に提出するための申請書を作成します。申請書はすべてA4規格で2通ずつ作成します。以下では帰化申請書の注意点について解説します。

 

注意:虚偽は言うまでもなく、隠すことも絶対にしないでください。有利不利を問わずにすべて正直に申告してください。

 

(1)申請者全員の帰化申請書
①年月日は空けておきます。
②出生地は病院等の地番まで正確に記入します。
③住所及び居所はすべて建物名まで正確に記入します。
④氏名は日本の正字で記入します。
⑤通称名は過去の分をすべて記入します。
⑥帰化後の本籍は自由に決めます。
⑦帰化後の氏名は常用漢字、ひらがな、カタカナ以外は使えません。
⑧日本人と結婚している者はどっちの氏によるか記入します。
⑨申請者署名押印は空けておきます

 

(2)親族の概要を記載した書面
①申請者を除いて記入します。
②記入する親族の範囲は2親等、内縁の者、婚約者、及びに、同居の親族すべてです。
③日本在住の親族と外国在住の親族を分けて作成します。

 

(3)履歴書
①申請者ごとに作成します。
②出生の時から申請時点までブランクの無いように記入します。
③職務内容も記載します。

 

(4)帰化の動機書
①申請者ごとに自筆で作成します。(満15歳未満は不要)

 

(5)宣誓書
①趣旨をよく理解して申請者ごとに作成します。(満15歳未満は不要)
②署名押印は空けておきます。

 

(6)生計の概要書
①申請者、その配偶者、生計を同じくする親族のすべてを記載します。
②世帯が異なる親族による援助がある場合は、その旨を記入します。
③海外の資産等についても記入します。

 

(7)事業の概要書
①申請者、その配偶者、その他の親族が事業を経営している場合はすべて作成します。
②複数の事業を経営している場合は事業ごとに作成します

 

(8)自宅、勤務先、事業所付近の略図
①最寄り交通機関からの経路、所要時間を記入します。
②会社、工場、店舗、勤務先が違う場所である場合はそれぞれについて作成します。
③過去(3年以内)の住所や勤務先についても作成します。

 

5.申請


以上まで何回も法務局と母国領事館を往復しながら収集・作成した書類を最寄りの法務局に申請者本人が提出します。帰化許可は自由裁量になっていますので審査の段階でまだ早いと判断された場合には「取り下げ」を勧められることがありますが、素直に従いましょう。一度不許可が付くとリカバリーも難しいです。

申請から許可まで平均1年はかかることから、途中で以下の事由が発生した際には速やかに法務局に届出後、調整が必要になります。
①住所又は連絡先が変更されたとき
②婚姻・離婚・出生・死亡・養子縁組・離縁等の変動があったとき
③在留資格や在留期限が変更されたとき
④日本から出国予定が生じたとき
⑤再入国したとき
⑥法律違反行為をしたとき
⑦仕事関係の変動があったとき
⑧帰化後の本籍・氏名を変更するとき
⑨その他法務局への連絡が必要になったとき(資格取得等)

 

6.面接と日本語テスト


申請書が受理されたら4か月前後して面接の連絡が入ります。面接では提出した書類と本人の態度を基に様々な質問をされることになります。よくどんな質問をされるか聞かれることがありますが、一人一人違うので決まった質問はないとしか言いようがありません。しかし、面接の目的を考えたらどのように準備すればいいかは自ずと分かるはずです。すなわち、本人の態度を見る事、提出した書類と本人の言との整合性チェック、書類だけでは表現しきれてない事項の確認等です。

以下は良く質問されていた事項です。
・父母や親族との身分関係
・仕事の内容や将来性
・税金納付状況や将来性
・日本で居住する意思確認
・経済状態
・配偶者や養子等との当初から現在までの経緯
・同居人や同業者との関係性
・過去の違法行為や素行不良に関する経緯
・海外渡航の時期や経緯
・日本人になりたい理由

何回も書きましたが、虚偽や隠ぺいをするとその整合性審査から必ずバレます。嘘をつかないことが一番の面接対策です。虚偽や隠ぺいがバレたら当然不許可になり、今後は帰化が許可されることもなくなると思ってください。正直に申告しても通る書面を作り、面接対策をするしかありません。

日本語テストは必ず行われるものではなく、書面や対面時の態度から日本語能力に疑問を持たれた場合に行われることになります。日本人になる訳ですからそれなりの日本語能力は必要です。不安があるようでしたらJLPTのN3かN4の問題集を解いてみてください。

 

7.結果通知


申請してから凡そ1年で結果が出ます。

許可されたら以下のような官報に住所・帰化前の氏名・生年月日が掲載されます。その後、法務局から「帰化者の身分証明書」が交付されます。この身分証明書の記載事項に間違いがなければ受領し、役所にて帰化届出をすることになります。また、速やかに入国管理局に在留カード等を返納します。その他、住宅、車、金融機関、会社、免許証、生命保険、水道・ガス・電気等の名義を変更してください。

不許可になったら不許可通知書が送付されてきます。何故不許可になったのかは法務局では説明してくれません。しかし、そもそも帰化条件を満たしてなければ受理すらされませんし、受理されたとしても取り下げを勧められる訳ですから、何か月にも及ぶ審査でそれ以外の問題(素行等)が発覚した場合が多いと感じます。この不許可原因を確定して取り除かない限り再申請は出来ません。殆どの場合には申請者自身に思い当たるものがあるはずです。それを阻却するように次の申請まで時間を置きながら頑張るしかありません。弊所に再申請をご依頼頂けると再申請までのコンサルティングも致します。ただ、虚偽申告をされた場合には今後の帰化申請は諦めてください。弊所でも虚偽申告による不許可案件は原則として受任しません。

 

帰化を許可する官報